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SDGsの各ゴールについて解説

各ゴールのごとの解説を用意しました。

解説PDFファイル

  1. 貧困をなくそう(国際開発センター主任研究員 小松原庸子)
  2. 飢餓をゼロに(国際開発センター主任研究員 新井文令)
  3. すべての人に健康と福祉を(国際開発センター研究員 三輪岳史)
  4. 質の高い教育をみんなに(国際開発センター主任研究員 田中義隆)
  5. ジェンダー平等を実現しよう(国際開発センター研究員 野々口敦子)
  6. 安全な水とトイレを世界中に(国際開発センター主任研究員 黒田康之)
  7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに(国際開発センター研究員 加藤るい子)
  8. 働きがいも経済成長も(国際開発センター主任研究員 長谷川祐輔)
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう(国際開発センター研究員 泉博隆)
  10. 人や国の不平等をなくそう(国際開発センター研究員 堀場浩平)
  11. 住み続けられるまちづくりを(国際開発センター主任研究員 三井久明)
  12. つくる責任つかう責任(国際開発センター主任研究員 三井久明)
  13. 気候変動に具体的な対策を(国際開発センター主任研究員 内田知秀)
  14. 海の豊かを守ろう(国際開発センター研究員 宇津木絵/劉文)
  15. 陸の豊かさも守ろう(国際開発センター研究員 田村美央子)
  16. 平和と公正をすべての人に(国際開発センター主任研究員 佐々木亮)
  17. パートナーシップで目標を達成しよう(国際開発センター研究員 尾形惠美)

途上国のSDGsへの取り組み

取り組み状況を国ごとにまとめています。

用語集

あ行
一次エネルギー 人間が利用するエネルギーのうち、変換加工する以前の、自然界に存在するもの。 薪・木炭、石炭・石油・天然ガス、太陽放射・地熱・風力・水力、原子力など。
ウオーターフットプリント
(WFP)
ものをつくるさいに、原料の取得から製造、輸送、販売、使用、消費、 廃棄にいたるライフサイクルで消費された水の量。
エネルギー原単位 製品の単位生産量に対する必要エネルギー量で、 生産効率を客観的に表す指標。 (省エネ法では、「原油換算エネルギー使用量」を「生産数量その他のエネルギー使用量と 密接な関係をもつ値」で除した値として定義される)
か行
海洋酸性化 二酸化炭素が海水に溶け込むと海洋の酸性度が高まる。産業革命以前には8.17程度であった海洋pHは、現在8.06程度にまで低下している。多くの海洋生物はpH 8を極端に下回るpH下で生存することは難しいため、酸性化のさらなる進行は食い止められねばならない。酸性化の被害を直ちに受けやすいのは、サンゴ等の石灰化生物である。酸性化は炭酸カルシウムを生成する能力に影響を及ぼすため、殻や骨格の生成不全が懸念される。酸性化のコントロールには二酸化炭素排出量の削減が不可欠だが、たとえ二酸化炭素が直ちに減少しても、表面海水が深層水と混合するには何百年もの年月かかるため、正常化には時間がかかると言われている。
顧みられない熱帯病
(NTDs)
顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases/NTDs)とは、熱帯地域の貧困層を中心に蔓延している細菌や寄生虫による感染症のことである。WHOは18の疾患をNTDsと定義しており、代表的なものとして、蚊を媒介して感染するデング熱やリンパ系フィラリア症、サシガメを媒介昆虫として主にラテンアメリカ大陸に蔓延しているシャーガス病などがある。世界のNTDsの感染者数は約10億人にのぼり、その殆どが劣悪な衛生環境に住む開発途上国の貧困層である。NTDsの蔓延によって人々の経済活動や社会生活に支障が及び、国の成長の妨げとなることが懸念されている。
技術バンク 2016年12月に国連総会で正式に発足した「後発開発途上国(LDC)のための技術バンク」。 技術バンクを通じてLDCにおける科学技術イノベーションの応用範囲の拡大を目指す。 2011年の第4回国連LDC会議で採択されたイスタンブール行動計画において、取組みの優先分野に 科学技術を含むLDCの生産能力が掲げられ、SDGsの「ターゲット17.8」へと取組みが具体化された。 トルコ政府が技術バンクの本部を同国ゲブゼに誘致することとなっており、開発パートナーに支援を 呼びかけるとともに、今後5年間で毎年200万ドルの拠出、人材や施設の提供を約束している。
原産地規則 国際的に取引される物品の原産地(どの国・地域で生産されたか)を判定するためのルール。関税率の適用が物品の原産地に準じている場合、原産地規則により原産地を判定する必要が生じるため。原産地規則は、特恵原産地規則とそれ以外の非特恵原産地規則とに分かれ、前者は開発途上国を原産地とする物品に対する一般特恵関税やEPA特恵関税など特恵待遇の付与を目的とし、後者はWTO協定税率やアンチ・ダンピング税の適用、原産地表示、輸入統計の作成を目的としている。
高等教育
(tertiary education)
初等教育、中等教育に続く教育段階で、一般的に大学や高等専門学校、専門学校において行われる高度で専門的な教育を指す。通常、細かく専門分野に分かれており、ある専門分野においての教育課程を修了すると学位などの学術称号が授与される。高等教育は、時代や地域によっては、将来の国や社会を担うエリート養成という役割がある一方、近年、高等教育は個人の能力に応じ、すべての者に等しく開放されなければならないと国際人権規約によって規定されており、高等教育への進学率は上昇傾向にある。ただし、現在における高等教育への進学率は、費用がかかることもあり、先進国においても50%前後であり、開発途上国になると、その比率は非常に低い。
さ行
サステナブル・シーフード 水産資源と環境の持続性に配慮して水揚げされた水産製品のこと。第三者機関の審査により得た魚モチーフの認証マークを表示することで、消費者に、サステナブル・シーフードであることを明示的にアピールできる。天然の水産物に対する認証がMSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)認証で、水産資源の持続可能性に配慮した管理、漁場の生態系に与える影響の最小化、法令や規則の順守等が認証の条件である。一方、養殖水産物の認証がASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)認証で、養殖場の建設や薬物の過剰投与により環境に大きな負担をかけず、適正な労働環境を確保し地域社会にも配慮して養殖された水産物であることが求められる。
識字能力と基礎的計算能力
(literacy and numeracy)
識字能力とは、文字を読んだり書いたりする能力を指し、基礎的計算能力とは加減乗除などの四則計算ができることを指す。識字能力と基礎的計算能力は、人間が社会において文化的な生活を営んでいく上で必要不可欠の最低限の能力とされており、すべての人々がこの二つの能力を習得できるように世界中の国々が取り組んでいる。通常は、初等教育、特に低学年(1~3年生)において、これらの能力養成が目指されている。現在、世界的に初等教育の普及が進んだことで、識字能力や基礎的計算能力をもたない人々の割合はかなり減少したと言われている。しかしながら、まだ一部の地域や国においては、これらの能力を十分にもたない人々がいることも事実であり、こうした人々をなくしていくことが現在の世界各国に課された使命だとも言える。
持続可能な開発のための教育
(education for sustainable development)
持続可能な開発のための教育(通常、ESDと呼ぶ)とは、現代世界に存在する環境、貧困、人権、平和、開発といった様々な問題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組むことによって、それらの課題解決につながる新たな価値観や行動を生み出しながら、持続可能な社会を創造していくことを目指した教育活動を指す。言い方を変えれば、持続可能な社会造りの担い手を育む教育と言える。同教育においては、人格の発達や自律新、判断力、責任感などの人間性を育むという視点と他人との関係性、社会との関係性、自然環境との関係性を認識し、「関わり」と「つながり」を尊重できる個人を育むという視点をもって実施されることが重要である。そのために、環境、平和や人権など持続可能な開発のための教育(ESD)の対象となる様々な課題への取り組みをベースにしつつ、環境、経済、社会、文化の各側面から学際的かつ総合的に取り組むことが重要となる。
就学前教育
(pre-primary education)
初等教育の前段階における教育を指すが、通常、上記の「幼児教育」に含められることが多い。
重債務貧困国
(Heavily Indebted Poor Countries
: HIPC)
対処できないほどの債務を抱えている貧困国。1990年代の最貧国の債務帳消しを求めた国際的な運動「ジュビリー2000」を背景に、1996年にIMFおよび世界銀行が中心となり重債務貧困国の債務救済のためにHIPCイニシアティブを導入、2006年には多国間債務救済イニシアティブ(MDIR)へと拡充した。世界銀行によれば、これらイニシアティブの下、国際機関や各国政府を含む国際金融界の協調により、2018年1月時点で36カ国(うちアフリカ30カ国)が救済措置を受けている 。
職業技術教育
(technical and vocational education)
普通教育に対して、ある職業的技能や技術の習得を目的として即戦力となる職業人を養成する教育を指す。通常、中等教育段階から導入されることが多い。世界人権宣言の第26条の1では、「技術教育及び職業教育は、一般に利用できるものでなければならない」と定められているが、そのためには、最新の機器や設備を導入して、企業及び社会全体からの要請に合致した技能・技術を習得させる必要があり、そのための設備投資などのコストは大きい。このため、世界の多くの国々では、その必要性は認識されながらも、なかなか同教育を積極的に推進、発展させていくことが難しいという状況に直面している。
初中等教育
(primary and secondary education)
初等教育及び中等教育を指す。一般的に、初等教育は小学校で行われる基礎教育のことで、多くの国では5歳あるいは6歳から開始され、4~6年間程度行われる。他方、中等教育は初等教育に続く教育段階で、一般的には、前期中等教育と後期中等教育に分けられ、前者は中学校、後者は高等学校で行われる教育を指す。この段階は、多くの国で6歳あるいは7歳から開始され、5~6年程度行われる。 現在、世界の国々を見た時、一部の国を除き、初等教育はほぼすべての子どもが就学できるようになった。しかしながら、その修了率は地域によって大きな格差が見られることが課題となっている。他方、中等教育については、まだまだ就学率が低く、今後、全世界をあげて、その推進に取り組んでいく必要があると考えられている。
従業員支援プログラム
(EAP)
1980年代にアメリカの政府機関が企業に普及させたEmployee Assistance Program(EAP)のことで、従業員の心の健康を支援するプログラムを指す。メンタルヘルス対策としての効果が期待されており、アメリカのフォーチュントップ500の企業のうち、90%以上がEAPを導入していると言われている。日本でも、企業内に産業保健スタッフを配置するケースや、EAPサービスを提供する外部企業と契約するケースがあり、それぞれ注目され始めている。EAPを導入することで、職場環境が改善され、従業員、しいては組織全体の生産性が向上することが期待されている。
スコープ GHG 算定のガイドラインである「GHGプロトコル」の中に定義されている排出量の呼び方で、排出量の範囲を示すときによく利用される。スコープ2排出量とは、他人から供給される電気や熱の使用に伴う排出量を示す。スコープ3排出量とは、企業が間接的に排出するサプライチェーンでのGHG排出量(製造、輸送、出張、通勤等)を示す。
生態系破壊 生態系とは、ある一定の区域に生息する生物、およびこれらの生物を取り巻く大気、水、土壌等の自然環境が相互に作用するシステムのこと。生態系破壊とは、生態系システムが外的因子の影響を受けた結果、本来継続的に働くはずの自己調節機能が維持されなくなるか完全に消滅することである(多様性の棄損、もともと生息していた固有生物種の絶滅等)。主な外的要因には、外来種侵入のほか、大気汚染、水質汚染、土壌汚染等の人為的な環境破壊が挙げられる。
た行
データヘルス データヘルスとは、健康診断や診療報酬明細書(レセプト)などによって電子的に管理されている医療情報を分析した上で行う、より効果的で効率的な保健事業のことである。被保険者の健康情報が電子的に保有されている近年、保険者はその膨大なデータを使って様々な保健課題を把握することが可能となってきた。平成29年には、厚生労働省はデータヘルス改革推進本部を設置し、「国民の健康確保のためのビッグデータ活用推進に関するデータヘルス改革推進計画」を公表している。
ドーハラウンド
(ドーハ開発アジェンダ
 Doha Development Agenda:DDA)
2001年11月にカタールの首都ドーハでのWTO第4回閣僚会議で立ち上げが合意された、多角的な貿易自由化のための新たな交渉(ラウンド)。正式名称は「ドーハ開発アジェンダ」。交渉分野は、農業、鉱工業品・林水産品の市場アクセス、サービス、アンチ・ダンピングなどのルール、貿易円滑化、環境、途上国の開発、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS)の8分野。先進国主導の交渉に反発する途上国の意向を踏まえ、「開発アジェンダ」が正式名称に採用され、貿易を通じた途上国の開発が重要課題の一つに設定されている。
な行
南北協力・南南協力・三角協力 「南北協力」は先進国による開発途上国に対する協力、「南南協力」は開発途上国間の協力、「三角協力」は先進国と開発途上国とが連携して、第三国の開発途上国に協力すること。南南協力や三角協力では、同じ開発途上国としての開発経験を共有することで、協力の効果が高まることが期待される。
は行
富栄養化 農業、工業、生活排水等の人間活動の影響を受け、水中の窒素、リン等の栄養分または鉱物濃度が上昇し、生態系の構成に異常が発生することを指す。多くの場合、特定の植物性藻類が大量に発生・繁殖するため水中の酸素を急激に消費し、酸欠被害をもたらして養殖漁業や沿岸生態系に大きな損失を及ぼす。また、大量発生後死滅した藻類の死骸は海底に沈降し、バクテリアによる酸化的分解が活発化するため、水中の溶存酸素量が減少し、貧酸素水域の形成や嫌気性微生物の優勢による悪臭の原因となる。
バーチャルウオータートレード
(VWT, 仮想水貿易)
輸入した食料をもし自分の地域でつくったらいくらの水が必要であったを算出し、その水資源を輸入により節約できた、という立場からみる水資源の貿易。
ま行
マイクロプラスチック/ビーズ 陸地で適切に処理されずに廃棄されたごみは排水溝から河川に流れ着き、最終的に海へ到達する。中でもプラスチックごみは海洋ごみの6~8割を占め、微生物により分解されることがないため、徐々に破砕されながらも永久に海中を漂い続ける。海鳥や海洋哺乳類が餌と間違えて捕食し、死亡するケースが多々見られる。魚類も微細なプラスチックごみを体内に蓄積しており、生態系への深刻な影響が懸念されている。欧米では、直径5mm以下のプラスチック粒子を含む歯磨き粉や洗顔料等の製造を禁止する法律の制定など、先駆的な取り組みが広がっている。
水ストレス 水需給が逼迫していて、水の使用に制約がかかっている程度を表す指標。年間取水総量を再生可能な水資源総量(たとえば年間、川に流れる水)で割った比率で計算される。
や行
薬物・アルコール依存症 依存症の脳の病気であり、日常生活に支障をきたしているにも関わらず、自らの意思で欲求をコントロールすることが困難な状態になる。アルコールや薬物といった物質を原因とする依存症では、対象の物質を手に入れることを優先的に考えるようになり、本人や家族の健全な社会生活に支障が出る。依存症は孤独感や不安感が原因で始まる場合もあり、誰にでも起こり得る病気である。本人の意思とは関係なく欲求をコントロール出来なくなる病気であるため、根性論で本人を責めても状況は改善しないことが多い。本人や家族だけで抱え込まず、早い段階で専門機関(保健所や精神保健福祉センター)に相談し、適切な治療や周囲のサポートを受ける必要がある。
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ
(UHC)
すべての人が、支払い可能な費用で、適切な予防、治療、リハビリといった保健医療サービスが受けられることを意味する。UHCは、健康は人々の共通の権利だという考えのもと、すべての人がお金に困ることなく保健医療サービスを受けられる状態を目指している。2012年12月12日に行われた国連総会では、UHCを国際社会共通の目標とすることが決まり、2014年からは、12月12日を「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ・デー」とした。また、2016年5月27日に発表された「G7伊勢志摩首脳宣言」において、UHCは中心的な保健課題とされた。
幼児教育
(early child development)
初等教育が行われる前段階、すなわち、0歳から4歳、あるいは5歳までの子どもの教育を指す。通常、子どもの世話を中心とした保育と教育に焦点を当てた幼児教育とに分けられ、それぞれを担当する行政組織も通常は異なっている。例えば、我が国では保育を専門に行うのは「保育園」、教育を専門に行うのは「幼稚園」とされ、前者は厚生労働省、後者は文部科学省が管轄している。幼児教育は、(先進国を除くと)世界的に見て、きっちりとした制度として確立している国は少ないと言える。したがって、まだまだ幼児教育の重要性や意義が国内に十分に浸透していない面もあり、早期の制度確立が望まれている。
ら行
漏洩ガス(GHG) 配管や生産プロセス等から漏洩し、大気中に飛散する(GHG)ガス。
A - Z
GHGプロトコル GHGプロトコルは、世界資源研究所(WRI)と持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)との共同事業により、事業者が各生産活動に伴う温室効果ガス(GHG)排出量を算定するために作成されたガイドライン。
IUU漁業 違法(Illegal)・無報告(Unreported)・無規制(Unregulated)で行われる漁業のこと。禁漁海域での漁業、禁漁魚種の漁獲、乱獲などにより海洋資源の持続性を棄損するだけでなく、国際的な資源保全ルールを順守して操業する漁業従事者に不公正な競争と経済的な損失を強いることにつながる。また、漁業従事者の強制労働・搾取、麻薬・武器の密輸などの組織犯罪との関連等、社会的な問題も指摘されている。IUU漁業の撲滅に向け、IUU漁船の国際的な取り締まり体制の強化や漁業証明制度の導入に加え、2016年に発効した「違法漁業防止寄港国措置協定」 により、IUU漁業により漁獲された水産物の国際的な流通の防止が図られている。
Market-based method 電気の契約に応じた排出係数を用いる考え方。 発電源から使用地点までの属性を示す契約上の書面・証書等から得られる排出係数に基づきScope2排出量を算定する方法。
Location-based method ある区域で平均の排出係数を用いる考え方。 地域、国など定められた区域内における発電に伴う平均の排出 係数に基づきScope2排出量を算定する方法。