IDCJ | SDGs室

あゆみ

 国際開発センター(IDCJ)は1971年に財団法人として設立された国際開発専門のシンクタンクです。調査、研究、研修の三分野で、政府開発援助(ODA)の形成、実施や評価に携わってきました。外務省や経済産業省、農林水産省、内閣府など、国際協力に関わる省庁によって所管されています。設立に際しては、財界からの働きかけが強く、初代会長には経団連会長を務めた土光敏夫氏が就任しました。現会長も経団連企業行動・CSR委員会の二宮雅也委員長(SDGs担当)が兼務しています。
 2010年には子会社として株式会社国際開発センターを設立し、コンサルティングサービスと人材育成業務をここに移しました。株式会社国際開発センターは、2018年2月の時点で80名の研究員を抱えており、専門とする分野は社会開発、農業開発、産業開発、援助政策、評価など多岐にわたっています。
 活動地域はアジア、アフリカ、中南米など世界各地であり、例えば2016年度には、開発途上地域の26か国において様々な調査研究や技術協力プロジェクトの実施にかかわってきました。また、2000年に日本評価学会が設立されてからは、継続して事務局を務めており、同学会を通じて国内外の研究者とネットワークを構築しています。国際開発センターは、開発途上国の社会経済の事情に精通する専門家を擁している日本でも屈指の組織といえます。

SDGsの登場

 2015年9月の国連サミットで、持続可能な開発目標、いわゆるSDGs(Sustainable Development Goals)が合意されました。国際開発、国際協力をめぐる状況は、近年に変化してきましたが、SDGsがその象徴になっているように見えます。これまで、国際協力とは豊かな国が貧しい国を援助する活動と受け止められてきました。援助のパイプは外交チャンネルがメインであり、外務省と相手国政府との協議を通じて、様々な援助事業が官ベースで形成され、実施されてきました。

 ところが、SDGsでは、目標の達成は先進国と途上国の双方の課題であり、また政府と民間セクターの双方が取り組むべきこととされています。もはや、外交チャンネルという一つのパイプを通じて、国際協力を進める時代ではなく、民間セクターが様々な機会を通じて、独自の判断で国際開発に参画する時代になってきています。民間企業が、途上国のビジネスパートナーと事業を進めることを通じて、現地の社会、経済の課題に多方面から取り組んでゆくことが求められます。SDGsでは、こうした状況の変化を踏まえて、官民双方が17個の開発目標の達成にともに取り組むことが目指されるようになりました。

ESG投資の拡大

 さらに、民間セクター側にも、開発途上国でのSDGsの目標達成に積極的に参画することに対して、追い風が吹いています。企業の環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)面の取り組みを注視するESG投資が世界的に拡大しています。日本でも、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2015年に「責任投資原則」(PRI、Principles for Responsible Investment)に署名したことをきっかけに、ESG投資への関心が高まっています。

 E、S、Gの各指標とSDGsのターゲット、指標とは共通するものが多く、両者の親和性は高いと考えられます。もちろんESGは、開発途上国の環境や社会問題にかかわるものだけでなく、むしろ日本国内での課題が対象とされる部分が多いです。しかしこれまで企業が、開発途上国においてCSRあるいはCSVとして取り組んできた活動や事業の意義が、ESGの枠組みの登場により、再評価されていることは確かです。

SDGs室の設立

 国際開発センターは1971年の設立以来、主に政府開発援助の分野で、国際開発に取り組んできました。しかし前述のように、今日では先進国と開発途上国との関係はますます多様化し、外交チャンネルを通じた政府開発援助だけでは、開発途上国が抱える課題に取り組めない状況になっています。SDGsは、民間セクターを目標達成に向けた重要な主体の一つと位置付けています。日本政府側もこれは承知しており、国際協力を官民連携によって進めることが重視されています。国際協力機構(JICA)は、「途上国の課題解決型ビジネス(SDGsビジネス)調査」というプログラムを作り、企業のSDGsへの取り組みを資金面で支援するようになりました。

 国際開発センターは、SDGsの前身のMDGs(ミレニアム開発目標)の時代から、様々な調査研究業務に従事しており、日本国内や国際社会での議論の流れを熟知しています。国際開発センターは、もともと財界の支援で設立された経緯があり、民間セクターが主導する国際開発にも積極的に参画することを、自らの責務と考えます。そこで、その実施部隊として2018年1月にSDGs室を設立いたしました。

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