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日本評価学会春季第2回全国大会

公開シンポジウムと共通論題の概要をご紹介!

 

公開シンポジウム 13:00-14:00
 「市場化テストによる官民競争とその評価 〜基本的理念について〜」

講演:宮内義彦(オリックス(株)会長・日本評価学会会長)

 13:00-13:05 挨  拶  畠中 篤(国際協力機構副理事長)
 13:05-13:45 講  演  宮内義彦(オリックス会長・日本評価学会会長)
 13:45-14:00 質疑応答
 
司会:廣野良吉(成蹊大学名誉教授)
【概要】
 国等の行う事務・事業については、長年無駄が多いのではないかと指摘されながら、その評価については情報開示の不十分さなどもあり、非常に困難なものとなっている。
規制改革・民間開放推進会議において法制化の準備を進める「市場化テスト」は、日本社会にとても大きな影響を与える制度である。「市場化テスト」とは、官が提供する公共サービスについて、官民間で競争入札を行うことにより、民間の知恵を生かして効率化を図ることができる制度である。同時に、官は自ら効率化することにより、民間より優れていることを証明することもできる。いずれにせよ、質、コストの両面で効率化が実現する制度であると期待されている。もうひとつ重要であるのは、官が公共サービスを提供するために、どの程度のコストをかけているかが詳細に開示され、その公共サービスがコストに見合ったものかどうか、国民が評価を下すきっかけになることではないだろうか。
 
「市場化テスト」を通じ、まず公共サービスのコスト、仕様を明確にする。さらに民間との競争という市場原理に晒すことにより、現在提供される公共サービスの評価と効率化、質の向上などを同時に実現できると考える。
 
その「市場化テスト」の基本的理念や現在の状況についてご説明したい。

 

共通論題セッションI  14:15-16:15
 国の政策評価の現状と課題解決の視座

座長 :古川俊一(筑波大学)
討論者:山谷清志(同志社大学)

1.趣旨説明及び問題提起          古川俊一(筑波大学)

2.政策評価制度に関する見直しの動向    渡会修(総務省)

3.経済産業省における政策評価の現状と課題 箱崎慶一(経済産業省)

4.国土交通省における政策評価の現状と課題 木場宣行(国土交通省)

【概要】
 日本の中央政府における政策評価制度の現状と課題、改善すべき点とその処方箋を提示することを志向する。
 日本の政策評価制度には、3つの特徴がある。早い制度化、広い適用範囲(あらゆる国の行政機関の活動、事前、事後、数理的、経営的、社会科学的接近)、及び厳格な運用(客観性、統一性、厳格性の追及と重畳的統制システム)である。これは、法規国家(Rechtsstaat)現象とも関連するが、ここから3つの課題が出てくる。
 ●下部構造の弱い上部構造(運用水準と制度の乖離)
 ●活用と展望を拓く誘因(インセンティブ)の低いままでの拡張
 ●手続き義務履行の水準にとどまるリスク(客観性、厳格性の強調の呪縛、物神性)である。
 一般的に評価制度の目的は、政策の質の向上と組織経営の改善の2つに焦点をしぼる必要があると思われるが、方向性がなかなか定まらないまま推移している組織も見受けられる。
 本セッションでは、3年を経過して法令上の見直し時期を迎えていることもあり、所管省である総務省から、またこれまで中央府省の中でも先進的に取り組み、実績を残していると定評のある、経済産業省及び国土交通省の政策評価担当の責任者をお招きして、理論と実践の双方に配慮した議論を展開する。
 その際の論点は、政策評価制度の効果の有無と程度、予算・定員管理等との連携、アカウンタビリティの履行、制度運用のコストなどが考えられる。
 政府で行われている見直し論議の動向について、総務省から説明が行われる。その上で、経済産業省及び国土交通省のこれまでの取り組みと実務上の課題を紹介する。討論者からは、以上の3報告をふまえつつ、幅広く組織の評価に関わってきて得た知見に基づき、ありうべき論点と今後の展望を述べる。

   

共通論題セッションII  14:15-16:15
 MDGs達成に向けて―開発成果マネジメントの課題―

座長:牟田博光(東京工業大学)・三輪徳子(国際協力機構)

1.趣旨説明及び問題提起        牟田博光(東京工業大学)

2.結果重視マネジメント導入の課題   北澤寛治(外務省)

3.開発成果のモニタリング・評価に関する考察 三輪徳子(国際協力機構

4.評価を通じた開発成果マネジメントへの取組(国際協力銀行の事例)
                   辻一人(国際協力銀行)・鴫谷哲(国際協力銀行)

【概要】
 2005年9月にミレニアム・サミット・レビュ−会合が予定されていることもあって、国内外でMDGs関連の評価が盛んに行われている。MDGsが世界的に合意され、その達成に向けた努力が援助国にもパ−トナ−国にも求められている。MDGsが強調されるようになった背景には、多くのインプットがあるにもかかわらず、期待された開発成果が得られてこなかった現実がある。しかし、数値目標がただ理念的に定められ、フィージブルでないのであれば、目標を定めたところで容易に達成できるものではない。
MDGsはなによりも国際協力の世界にパラダイムの転換をもたらした。MDGsは従来のインプット重視から成果重視への転換を決定づけたからである。インプットを確実に行うのは援助国の意思と努力だけでも何とかなる。しかし開発成果はそうはいかない。開発成果を出すためには一援助国のインプットだけではなく、他援助国のインプット、パートナー国自身のインプットも重要である。従って、開発成果をあげるためにはパートナー国のオーナーシップに基づく自助努力と同時に、各種の援助協調が欠かせない。また、複数のセクターが個々のMDGsの開発成果に影響を及ぼすため、セクター横断的な戦略がないと開発成果をあげることができない。十分に練られたPRSPやCDFが必要とされるゆえんでもある。
 またそもそも、これら多様なインプットと開発成果との因果関係も単純明快ではなく、インプットが開発成果をもたらすためには多くの条件を考慮しなければならない。しかも、発展途上国の統計情報は信頼性に問題があることが多く、必要なデータが得られない場合が多い。十分な情報が得られない中で、援助の効果をどうモニタリングするかも大きな課題である。
 本セッションでは、我が国の主要な援助関係者の参加のもと、MDGsの達成も念頭に置いた開発成果マネジメントに基づく様々な取り組みや問題点を報告してもらい、それらをふまえて、開発成果マネジメントが重要となっている今日の評価のありかたについて議論を深めたい。